《  春の七草  》 食の古典「本草綱目」で見てみよう

《  春の七草  》
もとは中国の官吏昇進を
毎年1月7日に決めることから
その朝に薬草若菜を食べ
立身出世を願ったのが
起源と云われています。
奈良時代に日本に伝わり
平安時代に宮廷儀式として
七草粥を食べるようになり
江戸時代に『節供』に定められ、
「人日の節供、七草の節供、若菜の節供」
など呼ばれています。
【芹(せり)】甘、寒、無毒。
血の滞りを下して除く、
消化を助け下痢を止める等
(食の古典「本草綱目」より)
【薺(なずな)】 甘、温、無毒
明目(視力に良い)
お腹の張り痛みを治す
熱毒を寛解させる
(食の古典「本草綱目」より)
【御形(ごぎょう)、母子草、鼠曲草】
調中益氣(体内を調和し、氣を増す)
咳止め、下痢止め、吐き気止め等
(食の古典「本草綱目」より)
【繁縷(はこべら)】酸、平、無毒。
悪瘡(わるいできもの)、痔瘡(いぼぢ)、
血の滞りを砕いて除く
(食の古典「本草綱目」より)
【仏の座、小鬼田平子(こおにたびらこ)】
歯痛止め(「中医薬膳博典」より)
※春の七草の「ほとけのざ」はキク科
×注意:シソ科の「ホトケノザ」は別物。
漢方で使われるが、有毒のため食用不可
【菘(すずな)、蕪(かぶ)】
根部:消化促進、身を軽くし氣を増す、
余分な熱を取り去り、渇きを癒す
胸腹の冷え痛みを取る
(食の古典「本草綱目」より)
【蘿蔔(すずしろ)、萝卜(だいこん)】
根部:消化促進、体内を調和する、
五臓の悪い邪気を外に出す、熱気を去る
(食の古典「本草綱目」より)
ちなみに私が今まで
後世鍼灸、中医薬膳、易占、中国語の発音
等等を習う中で
①新暦の1月7日に食べる説
②立春を元旦として7日目(新暦2/9頃)
に食べる説
③旧暦の1月7日(新暦2/18頃)に食べる説
④中国の春節(2月11‐17日7連休)の最終日に食べる説
など色々ありました。
何が正解かは私には分かりませんが、
【 粥 】は
氣を増す
脾胃虚寒(消化器の冷え)を治す
下痢や嘔吐を止める
尿の出を良くする
煩わしさや渇きを止める
(食の古典「本草綱目」より)
等の作用が伝えられていますので、
消化器系統が弱い方
お粥が好きな方
今日食べ忘れちゃった方
などは、
2月の前半〜中旬に
たとえ七草すべて揃わなくても
カブやダイコンつかって
お腹に優しいお粥を食べてみてくださいね。
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